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たっきーの薬のはなし、キホンのキ
第7回 悪玉コレステロールと善玉コレステロールって?①
体の中の主な脂質として、トリグリセリドとコレステロールについて説明してきました。これらは血中を移動するときには丸裸では血中に溶けにくいので、タンパク質やリン脂質で作られた箱の中に入って移動しているんでしたね!このように脂質が入っている箱の名前を血漿リポタンパク質複合体と呼ぶということもお伝えしました。
この血漿リポタンパク質にはいくつかの種類がありますが、そのなかでももっとも臨床的に重要な2つの血漿リポタンパク質について説明します。ひとつは低密度リポタンパク質(LDL)、もうひとつが高密度リポタンパク質(HDL)です。
<低密度リポタンパク質(LDL)>
LDLの体内での役割は、脂質を使う組織へ、脂質を輸送することです。LDLにはおおくのコレステロールが含まれています。脂質が必要な組織は、LDLから組織の細胞内にコレステロールを得ているわけです。
<高密度リポタンパク質(HDL)>
HDLの体内での役割は、さまざまな組織からコレステロールを引き抜くことです。引き抜いたコレステロールはLDLへ渡し、再度、脂質が必要な組織へ輸送してもらったり、肝臓へ渡したりします。せっかくエネルギーをたくさん使ってつくったコレステロールですから、有効活用しなければ・・・。
以上が、通常の状態でのそれぞれの血漿リポタンパク質複合体の大雑把な役割です。
組織へコレステロールを渡すLDL、組織からコレステロールを引き抜きLDLへ引き渡しコレステロールの必要なところへ再度輸送する手はずを整えるHDL。
この二つが巧妙に働くことで生体内のコレステロール輸送が動いているわけです。
では、コレステロールが多いとき(つまり脂質異常症の状態)には、それぞれどのように働くのでしょうか?
LDLは悪玉コレステロール、HDLは善玉コレステロールと呼ばれたりもしますが、その理由は脂質異常症の時のLDLとHDLの挙動を考えるとよりわかりやすいと思います。
次回につづく・・・。
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