たっきーの薬のはなし、キホンのキ

第3回 血液中に存在する脂質とは? ①中性脂肪:生合成と分解

脂質とは、大きく分けて
①中性脂肪
②コレステロール
があるんだよ、というお話を前回しました。
特に、中性脂肪、つまりトリグリセリドの大まかな特徴についてお伝えしました。覚えていらっしゃるでしょうか?
怪しい方は是非ホームページを見て、復習してくださいね!

トリグリセリドは、生体内エネルギーの貯蓄物質である脂肪酸と、グリセリンで構成されており、水に溶けにくい性質を示すということがとても大切です!今回は、このトリグリセリドの合成経路と分解経路についてお話をします。

<トリグリセリド代謝の考え方>
トリグリセリドは、脂肪酸とグリセリンで構成されています。おおまかに言うと、トリグリセリドは脂肪酸とグリセリンがエステル結合という結合様式で合体してできたものなわけです!なので、トリグリセリドの合成を考えるときには、脂肪酸の合成とグリセリンの合成を考える必要があります。

<トリグリセリドの生合成>
あまり詳しくお話すると大変なので、ごくごく簡単にお話をします。脂肪酸もグリセリンもグルコースから作ることができます!!脂肪酸は、グルコースが代謝されてできるアセチルCoAがもとになってできますし、グリセリンは、グルコース代謝である解糖系の途中の物質から作られるのです!つまり、トリグリセリドの代謝はグルコース代謝(糖代謝)と非常に密接に関係しているんですね。
グルコース代謝はまた別のシリーズでお話出来たらと思います。とりあえず合成についてはこのへんで・・・。

<トリグリセリドの分解>
分解について、これもはやり合成と同じでまずは、脂肪酸とグリセリンに分解されます。トリグリセリドの代謝は、脂肪酸とグリセリンがブロックになっているんですね!脂肪酸は、β酸化でアセチルCoAへ分解されATPをたくさん作ることになります。くどいようですが、「脂肪酸は生体エネルギーの貯蓄に使われている」というのは、このためなんです。グリセリンは解糖系に入ってATPを作ることができます。

さらに大切なこと。それはトリグリセリドの体の中での存在する場所です。トリグリセリドは血中にも存在していますが、多くは脂肪組織・脂肪細胞の中に貯蓄されています。脂肪細胞というのはトリグリセリドの貯蔵庫なんですね。トリグリセリドはエネルギーの貯蓄物質ですので、脂肪細胞は「エネルギーの貯蔵庫の1つである」という言い方もできるかもしれません。

今回は色々大切なことが出てきました。トリグリセリドは脂肪細胞で貯蓄されているということ、トリグリセリドの合成も分解も脂肪酸とグリセリンが関係しているということ、トリグリセリドは脂肪酸とグリセリンがエステル結合で合体したものであるということ。大変ですけども、少しづつでも覚えていきましょう。
国家試験に合格するためには絶対に覚えなくてはいけないところです!!試験直前に覚えるよりも、今覚えたほうがずっといいですよね!

 

次回は、もう一つの脂質であるコレステロールについてお伝えします

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