たっきーの薬のはなし、キホンのキ

第4回 血液中に存在する脂質とは? 
②コレステロール:化学物質としての特徴、合成、分解経路

第2回、第3回と連続でトリグリセリドについてお話をしてきました。トリグリセリドは水に溶けにくい物質で、脂肪酸を3つももっています。また、トリグリセリドの合成も分解も、3つの脂肪酸と1つのグリセリンが単位になっているんでしたね!今回は、血液中に存在するもう1つの脂質である、コレステロールについて学びましょう!

コレステロールは、ちょっとやっかいです。
普段は左下に水酸基があって、その他は炭素というそっけない構造をしています。普段はこの形で細胞膜に埋まっていたりします。ただ、血中にでてきていろいろな臓器間で移動したりする時(つまり、臨床で検査される血液中では)、このコレステロールの水酸基は脂肪酸とエステル結合によりくっついていることが多いです!
この形のコレステロールを「コレステロールエステル」とか「コレステロールのエステル型」とよんでいます。

<コレステロールの性質>
コレステロールもトリグリセリドと同様に、水には溶けにくい性質を示しますので、水がベースの溶液である血液中では(特に血液中ではコレステロールエステルになっているのでさらに水に溶けにくくなる!)、特殊な形で存在することになります。この脂質の特殊な形は、別回にてお話しますね。

<コレステロールの生合成>
このコレステロールは、肝臓など多くの組織においてアセチルCoAから作られます。その際、NADPHという補酵素を大量に使います。アセチルCoAは糖代謝ででてくる物質です。また、NADPHも糖代謝の1つであるペントースリン酸経路で作られる物質です。ということで、コレステロールもまた、糖代謝と密接に関係しているんですね。糖代謝って重要なんですね。また、食事から摂取している分もあります。しかし、全体として考えると食事からとったコレステロールと、肝臓で作られるコレステロールでは、体の中で作られたものの方が量的に多いことがわかっています!からだってすごい!


このコレステロールの生合成経路は、非常に重要で、薬物治療のターゲットになっています。別回にて、さらに詳しくお伝えしますね~。

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