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第13回 その他のスタチンの注意点
スタチンは通常、肝臓でHMG-CoA還元酵素を阻害することによって薬効を発揮しています。副作用も比較的少なく、LDLを大きく低下させるため、臨床的にも処方の多い薬のひとつです。
投与回数は、1日1回の場合がほとんどです。投与時点は、夕食後が多いです。添付文書でも、「夕食後が望ましい」などと記載されていることがあります。なぜなのでしょうか?これは、コレステロールの生合成が夜に亢進されていることがわかっているからです。コレステロールがより多くできる(生合成が盛んな)時を狙って薬を効かせた方がいいですよね。夜に効かせるためには、夕食後がタイミング的においしいので、スタチンを夕食後投与にすることが多いのです。
さらに薬物相互作用についても、いくつか注意しなければなりません。
グレープフルーツジュースは小腸のCYP3A4を阻害することが知られています。その阻害効果は一週間程度続きます。ですので、スタチンのうちCYP3A4によって代謝されるシンバスタチン・アトルバスタチン・ロスバスタチンは、多かれ少なかれグレープフルーツジュースとの相互作用があるようです。注意しておくとよいかもしれません。
また、薬効モニターが必要な抗凝血薬ワルファリンと相互作用することが知られるスタチンもあります。フルバスタチンやシンバスタチンなど、CYP2C9やCYP3A4の代謝をうける薬です。ワルファリンはCYP2C9、CYP3A4、CYP1A2などで代謝されますので、代謝酵素を介した相互作用があるのかもしれません。
ここまで13回にわたり、脂質代謝とスタチンについてお伝えしてきました。ここまで知っておけば国家試験レベルでこの分野は、ほとんどの問題を解けるのではないでしょうか。「理解したつもり」ではなく、しっかりと理解・記憶してくださいね!
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